ロマン派時代は芸術性の高いフルート作品に恵まれませんでしたが、弦楽器などの曲はすばらしい作品が数多くあります。そのような作品をフルートに編曲して演奏してみました。この時代の作品はバロックや古典と違って微妙なテンポの揺れがあるのでアンサンブルが難しいです。
シューマン作曲 : 幻想小曲集 作品73 【2012新録音】
シューマンらしい繊細で感傷的な室内楽の名曲で、チェロかクラリネット、またはバイオリンとピアノで演奏されますが、フルートではほとんど演奏されないので吹いてみました。一部のフレーズをオクターブ移動するのは好みでないので、全体を短3度上げて吹いています。
使用楽器 / Brannen + J.R.Lafin Headjoint
フランク作曲 : ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ヴァイオリン曲の中でももっとも美しい曲といわれるフランクのヴァイオリン・ソナタ イ長調をフルートで演奏しました。高校時代にティボーとコルトーによる歴史的な名盤レコードを聴き、一瞬でこの曲の虜となってしまいました。フルートでの演奏もあることなど知らずにヴァイオリンの楽譜を買ってきてひたすら吹いた時から30年近くたちますが、まだまだです。
使用楽器 / Muramatsu SRRH + J.R.Lafin Headjoint
シューベルト作曲 : アルペジオーネとピアノのためのソナタ イ短調 D.821
現代では絶滅した楽器アルペジオーネのために作曲された作品です。アルペジオーネは弓で弾くギターといえばよいでしょう。現代ではチェロやビオラで演奏するレパートリーです。フルートで演奏した場合、広い音域を、延々と休み無く吹き続けなければならないので、スタミナが必要です。なおフルートへの編曲は自分で行いました。
使用楽器 / Muramatsu SRRH + J.R.Lafin Headjoin
ドヴォルザーク作曲 : ソナチネ ト長調 作品100
ヴァイオリンのためのソナチネ作品100です。芸術性が高いかどうかは別として、ドヴォルザークらしい、のどかさと田舎っぽさが良く出た曲です。特に第二楽章のメロディーは有名で、だれがつけたか「インディオの嘆き」という、おそろしくクサイ名前で呼ばれています。
使用楽器 / Powell Handmade Aurumite RH
ベートーヴェン作曲 : ロマンス 第2番 ヘ長調 作品50
ベートーヴェンのバイオリンと管弦楽のためのロマンスには第1番のト長調と、この第2番のヘ長調(こちらが先に作曲された)がありますが、演奏される機会はヘ長調の方がずっと多いようです。コンチェルトの緩徐楽章のような趣の曲です。
使用楽器 / Brannen + J.R.Lafin Headjoint