ここに1950年代のルーダルカルテ社のアルトフルートがある。
当社のボスが手に入れた楽器だ。
聞くところによると、永年日本の某有名交響楽団にあったものらしいが、実にいい音がする。
今、日本に入ってきているルーダルカルテの楽器はブージー&ホークスに吸収された後の普及品しか入ってきていないが、それとは全く異なる総銀製の名品である。
(おっと、わが社はクランポンの特約店であった、ここは、仕上げは日本製に劣るが、音色は結構良いということをコマーシャルしておかなければ・・・)
確かこのころは、フルート製作の巨匠アルバートクーパーがヤスリがけの名人として在職していた時期だと思う。この美しいキーの曲線を見ていると彼がヤスリをかけたのかなあと思ってしまう。
今の楽器はまず大きな音を出すことが優先されてしまいどうも色気がない楽器が多いが、音量は大きくないが、実に甘い、いい音なので、ダフニスや武満の「海へ」あたりを吹くと一瞬で違う次元にワープしてしまう。
最初、社長はこの楽器は非売品と言っていたが、どうも最近は場合によっては売ってもいいようなことをほのめかしている。
でも二度と手に入らないことを考えると、手元に置いておきたい。
信頼おける方には貸出も可能なので、みなさんも試奏してみたらいかがだろうか。
1999.03.18
2002.4月現在、このフルートはある方にご購入いただき大切に使っていただいています。
ありがとうございました。