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夏はボサノバ

 

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私はクラシック音楽を演奏するが、ほとんどクラシックのCDを聞くことはない。
ジャズファンであるし、夏はなんと言ってもボサノバを聴きながらジンライムを飲むのが最高だ。ボサノバといえば、大御所のアストラッド&ジョアン・ジルベルトやスタン・ゲッツがやっぱり本命だが、いかんせん録音はモイーズより多少ましな程度の音質だ。「小野りさ」のCDを聞いた後だと、演奏より録音の悪さばかりが気になり、クールで都会的な雰囲気が台無しになってしまう。そんなわけでこのところは専ら「小野りさ」ばかり聞いている。
お気に入りの「カトピリ」というアルバムの1曲にバックでハービーマンがアルトフルートを吹いている曲がある。このフルートの演奏がそれはそれは絶品で賞賛の限りを尽くしてもまだあまりある。フェルナン・デフュレーヌのように演奏したいと常々思っているが、このハービーマンのようなアルトフルートを吹けるのもまた夢の一つだ。
ああ!なんと心地よいけだるさ・・・

私は音楽は即興性がないと嫌いだ。練習で練って練ってそのまま決めたとおり本番を演奏するってのは自分はしたくない。
昔、アマオケで「魔笛」の全曲やった時のことだが、タミーノがソロで動物のテーマを吹く場面で、指揮者から「演技に合わせて自由にやっていいよ」といわれたのを幸いに、本番の時だけインプロヴィゼーションをいっぱい織り交ぜて演奏したら、その夜は二度と目を合わせてくれなかった。自分ではなかなかおもしろかったと思ったけど、やはりモーツァルトじゃなかったのかも・・・(ToT)
時と場所はわきまえなければいけなかったのかなと少し反省している。
ん?あと指揮者も選ばなくては・・・

クラシックを勉強していると、上手に演奏しないといけないようなプレッシャーに迫られる。もちろん、最上級者になれば自由に音楽で遊べるが、ポピュラー系だと「いかに素敵に」演奏することを、初級者から志すことができる。
その意味で上手な演奏を証明する必要のない音楽は心から楽しめる。

あれっ、ジンライムをもう一杯と思ったらジンが無くなってしまった。
しょうがない、白波のお湯割りで我慢するか・・・
ついでにCDもアントニオ古賀の古賀政夫名曲集にしよう。

PAUSE

ううっ、「悲しい酒」がしみるねえ。

1999.07.30